ドラッグストアで新型コロナの抗原検査キットが簡単に手に入るようになり、自宅で抗原検査を行う方が多数いらっしゃいます。専門誌JAMA internal medicineに自宅での抗原検査に関する報告がされていますので、ご紹介したいと思います。
2021年1月から5月にかけてアメリカのサンディエゴやデンバーにおいて臨床研究が実施されました。研究参加者は直近のPCR検査陽性者の濃厚接触家族です。自宅で鼻腔ぬぐいによる新型コロナ抗原検査キットを用いて検査を実施し、検査は毎日1回15日連続で行いました。
計552名が研究に参加し、225名がPCR検査陽性でした。この225名について様々な検討が行われました。抗原検査の陽性率は発症4日後にピークを迎え77%で、6日後に61%、11日後には16%でした。有症状者の場合は発症3日後にピークを迎え80%でしたが、無症状者の場合は50%でした。また、ワクチン接種者に比較して非接種者の方が抗原検査の陽性率は高率でした。発症時と2日後の2回抗原検査を行った場合の感度は85%に達する一方、発症時と翌日の2回抗原検査の感度は81%、1回しか抗原検査を行わない場合の感度は77%でした。
この報告にあるように、発熱や風邪症状などで心配になり自宅で新型コロナの抗原検査を行う場合は、症状発症日よりは、その数日後の方が陽性率が高くなります。もし、症状発症日に抗原検査を行って結果が陰性であっても、翌日あるいは翌々日にもう一度抗原検査を行うことで陽性が判明することが多いので、一度の陰性結果で安心しないで、翌日あるいは翌々日に再度検査を行うことを心がけて下さい。